異端者の悲しみ

耽溺日記

2024-01-01から1年間の記事一覧

祈り足りない夜について②

ランチには遅く、ディナーには早い時間のインド料理店には三人のシェフが居た。地下のゆったりとした店内の奥にはリゾートを思わせる観葉植物で彩られたあずまやがあった。クリスマス・イブに何もかも似つかわしくない景色。男ふたり、夜をさまようための指…

祈り足りない夜について

正午すぎの成田空港、「北」から流れたわたしは東京ではいささか暑すぎる分厚いダウンを腕に抱えて、仕事道具と少しの着替えを詰め込んだ肩掛け鞄を肩に掛けて高知行きのフライトを待っていた。滑走路へ向かう中国南方航空の中型機、年末の休みに郷里へ向か…